放射性廃棄物処分
- 竹内真司
- 2020年4月12日
- 読了時間: 2分
現代に残された大きな課題の一つに、原子力発電によってもたらされるゴミである、放射性廃棄物の処分問題があります。これは「先送りできない」、と言われ続けて数十年にもなり、結果的に先送りされてきてしまいました。
現状、わが国では、放射性廃棄物のうち、最もレベルの高い、高レベル放射性廃棄物(HLW: High-Level Radioactive Waste)の処分は、地下300m以深の深地層に地層処分することが法律で決められています。地層処分を実現するため、実施主体である原子力発電環境整備機構(NUMO: Nuclear Waste Management Organization)をはじめとして、関連する研究開発機関(AIST、CRIEPI、RWMC、JAEAなど)が多くの科学技術的成果を上げてきましたが、未だに処分場は決まっていません。これは、放射性廃棄物の受け入れという、技術だけでは解決できない社会的な問題が存在するためです。
研究室では、地層処分された放射性廃棄物から放射性物質が漏洩した際に、評価上重要な地下水の流動や物質の岩盤中での移行挙動に関する研究を行っています。また、処分場を選定する上で重要な断層の過去の動きを推定する研究などを行っています。このため、フィールド調査、室内での実験、数値解析などを実施しています。
さらに、放射性廃棄物処分の受容性に関して、受容性を妨げる要因や受容されるための適切なアプローチなどに関する社会科学的な検討も行っています。

Comments